せっかくなので、今日は腕の良い行政書士の見分け方について、少し駄文を連ねてみようと思う。
腕の良い行政書士を見分けるには
当然のことだが、医者でも弁護士でもなんでも、サービスを提供する事業者を選択するならば、例え同じ料金でも業者によって内容にばらつきが生じてくる。
得意不得意が異なるのは勿論のことだが、いわゆる腕の良くない医者にかかれば、下手をすると命に関わる。
それは行政書士で言えば、事業の継続に関わる、といったところだろうか。
新規の許可であれば事業の開始が遅れてしまうだろうし、場合によってはスタートが切れない、無駄なコストがかかる、等も挙げられる。
更新の場合は契約を逃してしまう可能性もある。挙げればきりがない。
では、本題として腕の良い行政書士に依頼をするにはどうすれば良いのか。
思い込みを捨てるべし
それは、まず行政書士が許認可に詳しいという思い込みを捨てることだろう。
どういうことか。
行政書士が許認可を扱えなければ、商売ができないのではないのか。そう思われた方が多いと思う。
しかし、まず以下の事実を見て頂きたい
1.行政書士には研修がない。つまり実務を学ぶ機会がない。
2.行政書士試験は実務との関連性がまるでない。
3.行政書士は試験合格者の他に、市役所勤務を20年継続すると与えられる場合がある。
つまり、あなたの前にいる、あなたが電話で話をしている行政書士は、許認可についてまったくの素人である可能性がある、ということに気が付いてもらいたい。
業務を学ぶ場がない行政書士はどうするか。あなたの仕事を受けながら、実際に仕事をしながら実例として学んでいくしかないのだ。
つまり、あなたの事業は実験に供されることになる。これほど恐ろしいことがあるだろうか。
こう書くと同業者からは恨まれそうであるし、また私自身もこのような経験を経て現在に至るわけであるから、それが良い悪いという話はしない。しかし、その当の依頼者にとってみれば、これほど不利益を被る話もないのではないか、と思う次第でもあるのだ。
私が聞いたケース
先日このような話を耳にした。
私が運送業を得意としている、というお話をしたところ、では先生に頼めばよかった、というお言葉を頂いた。
とても有難いことだが、私を評価しての台詞ではない。なぜなら私はその方と事業で関わった経験はない。頼んだ行政書士が運送業についてまるで知識のなかったことの悲劇から出てきた言葉だ。
「いつも別件を頼んでいる行政書士の先生に頼んだら、許可が取れるまでに1年近くもかかった。どうやら先生自身も運送業について分かっていなかったみたいだ。最初から詳しい先生に頼むべきだった。」
言っては悪いが、それはそうだろう。お腹が痛いのに耳鼻科に行く人はいない。お腹が痛いなら内科に行かなければならない。
まとめ
同じように、運送業の許可を取りたいのなら、運送業を業務範囲とする行政書士に頼まなければならない。
しかしそれは私たち行政書士にとっては当然のことであるのだが、一般の方がそのような事情を知るはずもない。
なのでここに記しておく。
行政書士には専門が分かれること。誰もが許認可のスペシャリストではないこと。
英文翻訳が得意な先生、ビザ取得が得意な先生、建設業許可を知り尽くした先生、様々だ。
長くなってきたので、この辺で一度切ろう。
次回は、実際に話をしていく中で、どのような点に気を付けたら専門外を見抜けるか、に迫っていこうと思う。